【プロテイン】プロテインにダイエット効果はある?|プロテインの選び方も紹介
タンパク質(プロテイン)は減量に重要な栄養素です。
十分なタンパク質を摂取することで、健康的な代謝をサポートし、食欲を抑えることができます。
また、筋肉を落とさずに体脂肪を減らすこともできます。
しかし、本当にプロテインにはダイエット効果があるのでしょうか?
本記事ではそんな疑問を解決します。
プロテインによるダイエット効果について
空腹感と食欲を減少させる
タンパク質が空腹感と食欲を減少させるのに役立つことが研究によって示されています。
タンパク質が空腹感と食欲を減少させる一つの理由は、タンパク質が一般的に長く満腹感を保つのを助けることです。
これは部分的に、満腹ホルモンGLP-1とPYYの放出によるものです。
研究では、高タンパク質摂取が一日を通じての空腹感を減少させる可能性があることも示されています。
2015年の小規模な研究では、高タンパク質の朝食が、低タンパク質の朝食や朝食を食べない場合と比較して、高齢女性が午後の時間に最大135カロリーを消費するのに役立ったとされています。
2016年に行われた5つの研究でも、高タンパク質の摂取と満腹感の増加が関連していました。
さらに、2020年に公開された別のレビューでは、一度に35グラム以上のタンパク質を摂取することが、空腹感の減少、食べたいという欲求の減少、より大きな満腹感などの効果に最も効果的であると報告されています。
これらは食事で摂取するタンパク質ですが、プロテインシェイクで摂取した場合も効果があるのですか?
プロテインシェイクと食欲に特化して調査した研究は少数ですが、ご紹介します。
2019年の研究では、肥満を持つ9人の若い女性にホエイプロテインを摂取させたところ、食欲を減少させる効果が見られました。
2021年の研究では、運動前に高タンパク質のプロテインシェイクを摂取した参加者が、同じカロリーの低タンパク質のプロテインシェイクを摂取した時よりも運動後に食欲が少なくなると報告しました。
つまり、プロテインシェイクでタンパク質を摂取しても、「ダイエット効果はある」というわけです。
健康的な代謝サポートする
筋肉は代謝とエネルギーの産生を助けるので、筋肉をつけることは代謝を健康に保つのに最適な方法です。
特に、体重を減らすためにカロリー制限ダイエットをする場合はそうです。
極端なカロリー制限は筋肉を減らし、脂肪を減らす結果になりかねません。
除脂肪体重が減ると代謝が悪くなり、食事制限をやめると体重が戻りやすくなります。
除脂肪体重とは、体重から脂肪の量を除いた重さのことをいいます。
逆に、十分な量のタンパク質を摂取し、筋トレを併用することで、筋肉の減少とそれに伴う代謝の低下を防ぐことができます。
肥満の高齢者を対象とした13週間に渡って行われた研究によると、週に20gのプロテインを余分に摂取した人は、タンパク質の摂取量が少なかった人に比べて、筋肉量が1.3kg増加しました。
6週間に渡って行われた研究では、参加者はシェイクを含む低タンパク食か高タンパク食のどちらかを続けました。
その結果、高タンパク食の人の筋肉が1.1kg多くつき、脂肪が1.3kg多く減りました。
お腹の脂肪を減らすのに役立つ
14週間に渡って行われた研究では、過体重または肥満の女性に、高炭水化物または高タンパク質、カロリー制限食と並行して筋トレを行ってもらいました。
その結果、高タンパク群の体脂肪は、高炭水化物群の1.7倍減少しました。
12週間に渡って行われた研究では、体重は中程度だが体脂肪率が高い女性を対象に、高タンパク質食または標準的なタンパク質食を食べてもらいました。
その結果、高タンパク食のグループは、体脂肪が1.4kg減少し、ウエスト周囲径が約2.2cm減少しました。
また、高タンパク群の参加者は、標準的なタンパク質ダイエットの参加者よりも有意に筋肉量を維持していました。
2020年の研究のレビューによると、減量後3~12ヵ月は高タンパク食を続けることで、体重の戻りを最小限に抑えられる事がわかっています。
しかし、この効果が1年以上続くかどうかは、不明です。
それでも、2017年の小規模な研究では、体重超過の参加者がダイエットプログラムの一環として低糖質プロテインシェイクを飲んだところ、体重減少が改善しました。
体重の管理に役立つ
プロテインが代謝、食欲、筋肉量に与える影響は、一度減った体重が再び増える(リバウンド)のを防ぐのに役立ちます。
それは、食事でタンパク質を摂取した場合のみですか?
いいえ。
プロテインシェイクで摂取しても、食品から摂取しても同じです。
2015年のある研究では、1食あたり25〜30gの高タンパク質摂取は、体重減少と体重管理の両方を改善することが示唆されています。
プロテインの種類
最初に言っておきますが、普段の食事で十分なタンパク質を摂取できているのであれば、プロテインを飲む必要はありません。
- 高タンパク質の食品を食べる事が少ない
- 食事だけで必要量を満たすのが難しい
このような場合は、プロテインシェイクを飲むことにより、不足したタンパク質を補う事ができる、便利な飲み物です。
しかし、プロテインにもいろいろな種類があります。
そんなプロテインの種類についてご紹介します。
ホエイプロテイン
吸収が早く、乳製品をベースとし、9種類の必須アミノ酸をすべて含むプロテインです。
カゼインプロテイン
比較的吸収がゆっくりなプロテインです。
ソイプロテイン
植物性で、すべての必須アミノ酸に加え、大豆イソフラボンの健康効果も期待できます。
ヘンププロテイン
植物性で、すべての必須アミノ酸を含み、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が豊富で、アルギニンの含有量が多いプロテインです。
ライスプロテイン
植物性ですが、必須アミノ酸のリジンが少ないプロテインです。
ピープロテイン
植物性で、ソイプロテインやホエイプロテインよりアレルギー性が低いですが、必須アミノ酸のメチオニンが少ないです。
どのプロテインを選ぶべきか
プロテインの種類によって、体に与える影響は異なります。
例えば、ホエイは通常、カゼインよりも吸収が速いため、運動後の筋タンパク質合成の促進に最適です。
また、短期的には空腹感を感じにくくなる効果もあります。
ホエイプロテインが大豆や他の植物性プロテインよりも減量に効果的であることを示した研究もありますが、実質的な違いを示さない研究もあります。
このように、減量やその他の望ましい結果に関しては、プロテインの種類よりも個々のライフスタイルの要因がより重要かもしれません。
考慮すべき重要な要素の1つは、購入するプロテインの品質です。
ホエイ、カゼイン、ソイは完全タンパク質と考えられています。
つまり、体に必要な必須アミノ酸を十分に含んでいるということです。
とはいえ、この3つは人によってはアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
ライスとエンドウ豆(ピー)のプロテインは、アレルギーを起こしにくいとされることが多いです。
しかし、必須アミノ酸が十分に含まれていません。
ヘンププロテインもアレルギー反応を引き起こす可能性が低いと考えられています。
さらに、すべての必須アミノ酸を十分なレベルで含んでいます。
そのため、完全なタンパク質源とみなすことができます。
ホエイ、カゼイン、ソイ
- 体に必要な必須アミノ酸を十分に含んでいるが、人によってはアレルギー反応を引き起こしやすい。
ライス、ピー
- アレルギーを起こしにくいが、必須アミノ酸が十分に含まれていない。
ヘンプ
- アレルギー反応を引き起こす可能性が低く、必須アミノ酸も十分に含まれている
食事である程度タンパク源を摂取できている限り、どのプロテインを選んでも問題はありません。
- 値段が安いから
- 有名なメーカーだから
- 味が美味しいから
このような簡単な理由で選んでも問題ありません。
一番大事なのは、続けられる物を選ぶ事です。
また、プロテインにはデメリットも存在します。
プロテインのデメリットについては以下の記事でご紹介しています。