【筋トレ】筋肥大するにはどうすればいい?|筋肉が大きく成長する仕組みについて
ジムでトレーニングに励む多くの男性は、脂肪を落とすだけでなく、筋肉を増やしたいと考えているでしょう。
女性の多くは脂肪を落とす事をメインにトレーニングをしている人が多いですが、稀にムキムキを目指している人もいます。
この記事では、筋肉がどのように成長するのか、そして筋肥大をさせる為に重要なポイントについて解説します。
筋肉が成長する仕組みについて
筋肉成長の生理学
運動後、あなたの体は損傷した筋繊維を修復または置き換えるために、筋細胞を融合させて新しい筋タンパク質の筋細胞を形成します。
これらの修復された筋細胞は、厚さと数を増加させ、筋肥大(成長)を引き起こします。
筋肉の成長は、筋タンパク質の合成率が筋タンパク質の分解率を上回るときに発生します。
しかし、この成長は、トレーニング中ではなく、休息しているときに起こります。
では、どのようにして実際に筋肉細胞に筋肉をつけるのでしょうか?
ここでサテライト細胞というものが登場します。
サテライト細胞は、筋肉の成長、修復、再生に不可欠な役割を果たす、筋肉細胞の周りに存在する特殊な細胞です。
サテライト細胞は、筋肉が損傷を受けたときや、運動によるストレスが加わったときに活性化されます。
活性化されると、サテライト細胞は分裂し、新しい筋肉繊維を形成したり、損傷した筋肉繊維を修復するために必要な追加の細胞を供給します。
過去の研究で、「筋肥大の割合とサテライト細胞の活性化の割合」を調べた研究があります。
簡単に結果をまとめると、以下のとおりです。
- 筋線維の肥大が58%
- サテライト細胞の活性化が23%
- 筋線維の肥大が28%
- サテライト細胞の活性化が19%
- 筋繊維の肥大が0%
- サテライト細胞の活性化が0%
つまり、サテライト細胞を活性化できればできるほど、筋肉を成長できるようになるのです。
では、「筋肉成長を増やすために、これらのサテライト細胞をどのように活性化させるか?」という問いが生じます。
筋肉が成長する3つのメカニズム
自然な筋肉の成長の進行の基礎となるのは、筋肉に対して継続的により多くのストレスをかけることです。
このストレスは筋肉の成長における主要な要素であり、体内の恒常性を乱します。
このストレスと恒常性の乱れは、筋肉成長を促進する3つの主なメカニズムを引き起こします。
3つの主なメカニズムについては、以下の通りです。
筋肉への負荷を増やす
筋肉成長を促進するためには、体や筋肉が以前に適応したものよりも大きなストレスの負荷に適用する必要があります。
主な方法は、徐々に重い重量を持ち上げることです。
トレーニングで扱っている重量を徐々に増やす行為は、mTOR活性化やサテライト細胞活性化を含む成長因子に変化を引き起こすのに役立ちます。
細胞の成長、分裂、代謝を調節する重要なタンパク質複合体です。
筋肉成長において特に重要な役割を果たし、栄養摂取や運動などの刺激によって活性化されます。
また、筋肉への負荷を増やす事は、モーターユニットと筋細胞の接続に最も劇的な影響を与えます。
モーターユニットとは、一つの神経細胞と、その神経が命令を送る筋肉の一群のことを言います。
神経からの「動け」という信号が筋肉に届くと、筋肉は収縮して動きます。
この神経と筋肉のチームを「モーターユニット」と呼びます。
筋肉のダメージ
もし筋トレ後に筋肉痛を感じたことがあるなら、トレーニングによる筋肉へのダメージを経験したことになります。
この筋肉へのダメージは、サテライト細胞を活動させる炎症分子と免疫系細胞の放出を引き起こします。
「筋肉痛になる必要がある」という事ですか?
そういう訳ではありません。
運動によるダメージが筋細胞内に存在する必要があるということです。
筋肉痛にならなくても、しっかりとトレーニングを行えば筋細胞内にダメージがあるので、筋肉は成長します。
通常、筋肉痛は時間とともに他のメカニズムによって軽減されます。
筋肉痛について詳しく知りたい人は、以下の記事がおすすめです。
代謝ストレス(パンプ)
もし運動の燃焼感を感じたり、筋肉がパンプするのを感じたことがあれば、代謝ストレスの影響を感じたことになります。
代謝ストレスは筋肉の周りの細胞の腫れを引き起こし、筋細胞のサイズを増加させることなく筋肉の成長に貢献します。
これは筋グリコーゲンの増加によるもので、これが筋肉を膨らませ、結合組織の成長を助けるのです。
このタイプの成長は肉質肥大として知られており、一時的に筋肉が大きく見える外観を得る方法の一つです。
これが、筋肉成長の3つの主なメカニズムです。
次の疑問は、「ホルモンが筋肉成長にどのように影響を及ぼすか」ということです。
ホルモンと筋肉の関係
ホルモンは筋肉の成長と修復の過程において重要な役割を果たします。
- 成長ホルモン
- テストステロン
- インスリン様成長因子(IGF-1)
これらのホルモンは、筋肉の合成を促進し、筋肉の成長を手助けします。
ホルモンのバランスが崩れることは、筋肉成長の妨げになることがあります。
例えば、過剰なストレスはコルチゾールのレベルを上昇させ、筋肉の分解を促進する可能性があります。
したがって、ストレス管理と適切な回復時間の確保も、筋肉の成長を最大化するために重要です。
最終的に、筋肉の成長は、適切なトレーニング、栄養、回復、そしてホルモンバランスの維持によって促進されます。
各個人の体は異なるため、自分に最適なバランスを見つけることが、効果的な筋肉成長への鍵となります。
ホルモンが筋肉の成長に与える影響
ホルモンは、サテライト細胞の活動を調節する役割のため、筋肉の成長と修復に大きく貢献する要素です。
特に、インスリン様成長因子(IGF-1)、とテストステロンが、筋肉成長を促進する2つの最も重要なメカニズムです。
テストステロンは、筋トレ界では有名で主要なホルモンであり、以下のような効果があります。
- タンパク質合成を増加させる
- タンパク質の分解を防ぐ
- サテライト細胞を活性化させ、他のアナボリックホルモンを刺激する
テストステロンは、損傷した繊維の部位での神経伝達物質の存在を増加させることにより、成長ホルモンの反応を刺激することもでき、組織成長を活性化するのに役立ちます。
一方でインスリン様成長因子(IGF-1)には、以下のような効果があります。
- タンパク質合成を強化
- グルコースの摂取を促進
- アミノ酸(タンパク質の構成要素)の骨格筋への取り込みを再配分
- 再びサテライト細胞を活性化して筋肉成長を増加させることにより、筋肉量の成長の量を調節
筋肉の成長と休息の関係
適切な休息や栄養を摂取しない場合、カタボリック(筋肉の分解)は簡単に起きてしまいます。
筋トレ後の筋タンパク質代謝の反応は24-48時間続くため、この期間に消費された食事とタンパク質代謝との相互作用が、食事が筋肥大に与える影響を決定します。
性別、年齢、遺伝によって、筋肉が実際にどれだけ成長できるかには一定の限界があることを念頭に置いてください。
例えば、男性は女性よりも多くのテストステロンを持っているため、より大きく強い筋肉を構築することができます。
筋肉の成長に時間がかかる理由
筋肥大には時間がかかります。
トレーニングを始めてすぐの身体の変化は、神経系が筋肉を活性化する能力によるものであるため、目に見える成長を感じるには数週間から数ヶ月かかることが一般的です。
その上、人はそれぞれ異なる遺伝子を持っており、ホルモンの分泌量、筋繊維のタイプと数、サテライト細胞の活性化に至るまでの時間がバラバラです。
筋肉を成長させるために最善を尽くすには、筋タンパク質の合成が筋タンパク質の分解を上回る必要があります。
これには、適切な量のタンパク質(特に必須アミノ酸)と炭水化物を摂取して、分解された筋組織の細胞の再構築を助けることが必要です。
筋肉の成長が目に見えて、体に明らかな変化が現れることは非常にモチベーションが高まります。
これが、筋肉が実際にどのように成長するかについての科学を理解することが重要である理由です。
まとめ
筋肉の分解と成長を引き起こすためには、体が既に適応した以前の閾値とは異なるストレスを作り出して、筋肉に適応を強いる必要があります。
より強いストレスを与えて筋肉を成長させる方法については以下の通りです。
- より重い重量を持ち上げること
- 運動を継続的に変更してより多くの筋繊維にダメージを与えること
- パンプしたの状態で筋肉を疲労させること
そして、筋肉を大きくする為に最も重要な部分を忘れてはいけません。
それは、適切な休息を取り、筋肉が再生し成長するために十分な食事を摂取することです。