【筋トレ】初心者がやるべき正しいセット数や回数について
筋トレをしている人なら「セット数」と「回数」をどれぐらいやるべきか悩んだ事があるのではないでしょうか?
筋トレのセット数と回数は目的に応じて変わります。
正しいセット数と回数を理解してトレーニングを行う事で、トレーニングの効率を最大限に引き出し、時間を無駄にすることなく、望む結果へと導くことができるのです。
この記事では、セット数と回数の決め方がトレーニングの効果にどう影響するか、そしてそれをどのように自分の目標に合わせて調整すれば良いのかについてご紹介します。
筋トレの「セット数」と「回数」について
筋トレの基礎知識(用語)
本題に入る前に、初心者の人のために筋トレの基礎知識(用語)についてご紹介します。
普段からトレーニングをしていないければ、筋トレで使われる言葉の意味を知らないのが普通です。
本記事の内容を理解するために、筋トレで使われている簡単な用語についてご紹介します。
用語について理解している人は、飛ばしても構いません。
セット(Set)
セットとは、特定の運動を続けて行う回数のことを指します。
例えば、「3セットのスクワットを10回で行う」という場合、10回のスクワットを1セットとし、それを3回繰り返すことを意味します。
スクワット10回
休憩
スクワット10回
休憩
スクワット10回
休憩
スクワット10回
上記の場合ですと、10回のスクワットを「4セット」ということになります。
回数 (Repetition)
回数の意味に関しては説明不要なくらいそのままですが、トレーニングにおいて回数は「REP(レップ)」と表される事が多くあります。
「REP」とは、反復という意味の「Repetition(リピティション)」が由来になっています。
以下のような会話が例です。
ベンチプレスは何回、何セット行えばいいですか?
セットは5セットで、8〜10repできる重さで行いましょう。
このような場合ですと、「8〜10回できる重さで5セット」という意味になります。
簡単に言ってしまえば
「REP」=「回数」
というわけです。
最大回数(Repetition Maximum)
トレーニングについて調べていたら「1RMの〜%の重量で行う」という文章を見た事ないでしょうか?
この「RM」は、「Repetition Maximum(リピティション・マキシマム)」の略で、連続して行える最大回数を意味します。
例えば、A君がベンチプレスで80kgを1回上げられるが、82.5kgは上げることができないとします。
このような場合、A君のベンチプレスの1RMは80kgになります。
一方でB君は、ベンチプレスで100kgを一回上げることができますが、102.5kgは上がりません。
つまり、B君のベンチプレスの1RMは100kgです。
1回だけ上げることのできる最大重量のことを1RMというのですね?
そうです。
では、ベンチプレスのMAXが80kgのA君と、ベンチプレスのMAXが100kgのB君が、「1RMの70%の重量でベンチプレスを行う」場合は、それぞれ何kgの重量で行えば良いでしょうか?
答えは以下の通りです。
- A君の場合
- 80kgの70%=56kg
- B君の場合
- 100kgの70%=70kg
しかし、トレーニング初心者の人は、自分が1回だけ上げることのできる重量がわからないと思います。
だからと言って、ジムでMAXの挑戦をするのは恥ずかしいと感じる人も多い事でしょう。
そのような場合は、1RMを計算で求めましょう。
計算式は以下の通りです。
重量×回数÷40+重量
ベンチプレスを40kgで15回上げることができた人の場合の1RMを例で求めてみます。
「重さの40kg」と「回数の15」を計算式に当てはめると、以下の式になります。
40×15÷40+40
この式を求めると、答えは55になります。
つまり、ベンチプレス40kgを15回できる場合は、55kgで1回できる計算なので、1RMは55kgになります。
計算が面倒な人は、携帯のアプリで「RM計算」と調べるといいでしょう。
レスト (Rest)
レストは、セット間に取る休息の時間を指します。
以下のような会話が例です。
スクワットを10回し終えましたが、何分後にもう10回すれば良いですか?
レストは3分にしましょう。
上記の会話の場合ですと、「スクワットを10回やった後に3分間休憩してから、もう一度スクワットを10回行うというようにしましょう。」という意味になります。
「レスト」=「休憩時間」
このように認識しておけば良いでしょう。
セット数と回数の決め方
筋トレのセット数と回数は目的に応じて変わるので、まずは自分自身がトレーニングによってどのようになりたいのかを理解する必要があります。
- 筋力増強
- パワーがアップ
- 筋肥大
- 筋肉のサイズがアップ
- 筋持久力向上
- 筋肉のスタミナがアップ
この3つから目的をはっきりさせましょう。
筋力アップが目的の場合
筋力アップを目指す場合は、一般に使用する重量は、1回最大挙上重量(1RM)の約80%〜100%が理想的です。
80%〜100%の重量にする事により、自然とレップ数(回数)は少なくなります。
ですので、各セットでのレップ数は、3〜5回くらいを狙いましょう。
1RMの100%の重量で行う場合は、1回で構いません。
セット数については、1種目につき3セット〜6セット行いましょう。
セット数をもっと増やせば、筋力もその分伸びないのですか?
多いセット数は筋力向上の効果を高めることができますが、オーバーワークや怪我の原因につながります。
レスト(休憩時間)は、4分〜5分くらい取るようにしましょう。
長くないですか?
筋力向上には、レストが長い方が効果的です。
長めの休息時間を取ることで、次のセットで最大限のパワーが発揮できるように筋肉と神経系を回復させましょう。
簡単にまとめると、以下の通りです。
- 扱う重量
- 1RMの約80%〜100%
- 回数
- 3〜5回
- セット数
- 3〜6セット
- レスト
- 4〜5分
筋肥大が目的の場合
筋肥大を目指す場合、使用する重量は1回最大挙上重量(1RM)の約70%〜85%が理想的です。
85%って「筋力アップ」と被っていませんか?
このように思った方がいるかもしれませんが、その通りです。
筋肥大を目的としたトレーニングを行えば、筋力も同時に鍛えられます。
- ベンチプレスの などのBIG3の重量を伸ばしたい
- パワーリフティングの選手になりたい
このような目的がない限り、筋力向上のトレーニングを行わなくても、筋肥大のトレーニングだけで充分です。
回数は、6回〜12回の範囲内で行い、セット数については、1種目につき3セット〜5セット行いましょう。
筋肥大トレーニングでは、レストは2分〜3分程度とりましょう。
勿論、どのようなトレーニングにも当てはまる事ですが、筋肥大のトレーニングでは「フォーム」が重要になってきます。
全く同じ遺伝子の人間が、同じ種目で同じ回数でトレーニングを行った場合、正しいフォームでできている方が、圧倒的に筋肉が大きくなります。
ですので、特に初心者の人は、ウォーミングアップの時に軽い重量でフォームの確認を行ってからメインセットに取り組むようにしましょう。
正しいフォームは怪我の防止にも繋がります。
- 扱う重量
- 1RMの約70%〜85%
- 回数
- 6〜12回
- セット数
- 3〜5セット
- レスト
- 2〜3分
筋持久力アップが目的の場合
筋持久力アップを目指す場合は、一般に使用する重量は、1回最大挙上重量(1RM)の約40%〜60%が理想的です。
筋持久力を高めるには、「低重量・高回数」にするのが重要です。
回数は15回〜30回の範囲内で行い、セット数は1種目につき2〜4セット行いましょう。
レストは30秒〜1分に設定しましょう。
短いレストにより、筋肉の疲労耐性を高め、持久力の向上を促します。
危険を感じたら、レストを長く取ったり、扱う重量を下げるようにしましょう。
- 扱う重量
- 1RMの約40%〜60%
- 回数
- 15回〜30回
- セット数
- 2〜4セット
- レスト
- 30秒〜1分
目的が決められない場合
自分が「どのような目的を持ってトレーニングを行うべきなのか」がよくわからない人もいらっしゃると思います。
そんな人のために、「コレをやっている人はこのトレーニングがおすすめ」という例をご紹介します。
筋力トレーニングをやるべき人
筋力トレーニングをやるべき人については、以下の通りです。
- 単純に筋力をつけたい人
- 扱える重量を伸ばしたい種目がある人
- ジムで自分の扱っている重量が周りの人に比べて軽い事が気になる人
初心者がジムでよくありがちな事をご紹介します。
あなたがベンチプレスを最高で40kg上げることができるとします。
ジムに着いてベンチプレスをやろうと思ったら、隣に120kgでベンチプレスをやっている人がいました。
このような場合、あなたはどうしますか?
何も感じずその人の隣でベンチプレスを行うでしょうか?
ジムに通い始めたばかりだと、恥ずかしくて人のいないタイミングを見計らってやると思います。
おそらく多くの人がそのように考えるでしょう。
ジムに通っていると、自分の扱っている重量が周りよりも軽いことを気にしてしまう人は多くいます。
そんな悩みを抱え、トレーニングに集中できないのであれば「筋力トレーニング」を行うべきです。
筋力がつくと、自然と扱える重量もアップするので、恥ずかしく感じなくなるでしょう。
他には、以下のスポーツをしている人は「筋力トレーニング」を行うべきです。
- ウェイトリフティング
- パワーリフティング
- 投擲競技
- 短距離走 など
これらのスポーツは一瞬の爆発力や最大限の力が求められるため、筋力の向上が直接的にパフォーマンス向上につながります。
筋肥大トレーニングをやるべき人
筋肥大トレーニングをやるべき人については、以下の通りです。
- 筋肉を大きくしたい人
- 容姿をカッコ良くしたい人
- 自分に自信をつけたい人
- とりあえず目的がないけれどトレーニングを始めようとしている人
健康維持や運動不足解消のためにジムに通う人は多いですが、どうせなら「筋肉を大きくする」という目標を持った方がいいでしょう。
「筋肥大」のトレーニングをすれば、健康維持と運動不足解消の目標は自然と達成できます。
トレーニングの効果が出始めるまでにかかる期間についてはこちらの記事がおすすめです。
他には、以下のスポーツをしている人は「筋肥大トレーニング」を行うべきです。
- ボディービル
- フィジーク
- ラグビー
- アメフト など
「筋肥大」のトレーニングは、見た目の改善、競技パフォーマンスの向上、健康的な身体構造の維持など、多くの目的に合わせて利用されます。
ですので目標に困ったら「筋肥大トレーニング」を行えば間違い無いでしょう。
筋持久力トレーニングをやるべき人
筋持久力トレーニングをやるべき人については、以下の通りです。
- 筋肉のスタミナをつけたい人
- 日常での活動を楽にしたい人
筋持久力は、階段を登ったり、重い荷物を持ったりする日常生活において役立つ場合が多くあります。
筋持久力をつける事により、これらの日常生活での負担を軽減することができます。
ですので高齢の方にもおすすめです。
他には、以下のスポーツをしている人は「筋持久力トレーニング」を行うべきです。
- 長距離走
- ロードバイク
- サッカー
- バスケ など
他にも、仕事中に長時間体力を要する活動を行う必要がある職業の人々には、筋持久力トレーニングがおすすめです。
筋持久力トレーニングは、疲労の蓄積を遅らせ、長期間にわたる活動や労働を支える基盤となります。
これらの目標をはっきりとさせ、目標に沿った「セット数」「回数」を選択するようにしましょう。